Peri-Implantitis インプラントの寿命を左右する「インプラント周囲炎」
インプラントは生体との親和性が高く、長期にわたって使い続けることができますが、場合によってはインプラントがぐらついたり脱落したりしてしまうことがあります。その原因の多くが、「インプラント周囲炎」です。
インプラント周囲炎は、インプラントの周囲の歯肉や顎骨に歯周病菌が感染し、炎症を起こす病気で、インプラント治療をした方の約1~47%(※) がかかるといわれています。
インプラント周囲炎にかかり、炎症によってインプラントの周囲の歯肉や顎骨が破壊され続けると、顎骨がインプラントを支えられなくなってしまいます。
たとえ歯科医師の腕が良かったとしても、設備や環境が整っていたとしても、それだけではインプラントを長く使えるとは限りません。
インプラントを長く使い続けるためには、「インプラント周囲炎を防ぐ技術」が必要なのです。
※Perks J, Tomasi C. Peri-implant health and disease. A systematic review of cur-rent epidemiology. J Clin Periodontal 2015 ; 42 Suppl 16:S158-171.
Specialist
インプラントと歯周病
両方の専門医の資格をもつ歯科医師による治療
インプラントと歯肉とのすき間に細菌の塊である歯垢が溜まると、歯肉が炎症を起こして腫れるようになります。炎症によってインプラントと歯肉とのすき間は深くなり、そこにまた歯垢が溜まることで炎症はさらに進行し、インプラントを支える顎骨まで破壊され始めます。
この炎症による顎骨の破壊が進行し続けると、最終的にはインプラントが脱落してしまいます。
当院では、せっかくインプラントで回復させた歯を再び失わないようにするため、治療前の処置から治療後のメンテナンスまで、インプラント治療のすべての過程においてインプラント周囲炎や歯周病に関する知識と技術、経験を十分にもった歯科医師が担当し、「インプラント周囲炎にかかりにくいインプラント治療」を提供します。
カナザキ歯科のインプラント治療を担当する歯科医師は、「日本口腔インプラント学会口腔インプラント専門医」と「日本歯周病学会歯周病専門医」の資格をもち、インプラントと歯周病の両方に精通しています。
インプラントと歯周病それぞれの知識をいかし、お口の状態により適したインプラント治療を行うことで、インプラント周囲炎を予防し、インプラントの寿命を延ばすことができます。
Implant 歯周病専門医が行うインプラント治療
インプラント治療前
歯周病をしっかりと改善してからインプラント治療を開始
歯を失った原因が歯周病であるケースなどで、お口の中に歯周病菌が残っている状態では、インプラント治療を行ってもインプラント周囲炎にかかってしまうリスクが高くなります。
歯周病にかかっている場合は、インプラント治療を行う前に歯周病治療を十分に行い、歯周病菌をお口の中から取り除きます。この歯周病治療の質でインプラント治療の質が決まるといっても過言ではありません。
当院では、歯周病の専門的な知識と熟練の技術をもって歯周病を適切に治療します。
歯肉の移植手術で歯周病菌の侵入を防ぐ
歯を失った歯肉は、角化歯肉を失い柔らかく動きやすくなっている場合が多くあります。
インプラント周囲に固い丈夫な歯肉が無いと、食べたり、しゃべったりする際に歯肉が動くため、インプラントと歯肉の間に唾液が入り込みます。
同時に細菌が入るため、炎症が起こり、骨が溶けてインプラント周囲炎になりやすくなります。
硬く丈夫な歯肉を移植することで、インプラント周囲炎を防ぎ、インプラントをより長持ちさせることができます。
アストラEVインプラントでインプラント周囲炎のリスクを下げる
インプラント周囲炎のメカニズムを深く理解しているからこそ、使用するインプラントにもこだわっています。
先ほどもご説明したとおり、インプラント周囲炎を防ぐためには細菌が侵入するすき間を作らないことが重要です。当院では、細菌が侵入しにくい構造の「アストラテックインプラントシステムEV」を採用しています。「アストラテックインプラントシステムEV」は、インプラントと歯肉だけでなくインプラントと骨、インプラントと人工歯の土台とのすき間ができにくい構造で、細菌の侵入を抑えます。
▼アストラテックインプラントシステムEV
オッセオスピードEV 医療機器承認番号:22800BZX00381000
オッセオスピードプロファイルEV 医療機器承認番号:22900BZX00322000
※インプラントのリスク・副作用については、ページ下部をご覧ください。
インプラント治療中
治療中のメンテナンスで歯周病の再発を防ぐ
インプラント治療の治療期間の長さは患者さまによって異なりますが、数ヵ月から1年ほどと長期にわたります。その間に歯周病が再発してしまうと、インプラント周囲炎のリスクが高まる上にインプラントと顎骨の結合が妨げられる可能性もあります。
当院では、専門的なメンテナンスを定期的に行うことでインプラント治療中もお口を歯周病から守ります。
インプラント治療後
治療後も精密検査とメンテナンスでインプラント周囲炎を防ぐ
当院では、「インプラント周囲炎になりにくいインプラント治療」を提供していますが、治療後も定期的にメンテナンスを行うことで、インプラント周囲炎にかかりにくい口内環境を維持し続けられます。
また、患者さま専属の歯科衛生士が3ヵ月に一度、専属の歯科医師が1年に一度の頻度でお口の精密検査を行い、些細な変化やトラブルも見逃さないようにしています。万が一インプラント周囲炎にかかってしまった場合でも、早期に発見できるため、インプラントがぐらつくまで症状が進行してしまうような心配もありません。
・機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・インプラントの埋入にともない、外科手術が必要となります。
・高血圧症、心臓疾患、喘息、糖尿病、骨粗鬆症、腎臓や肝臓の機能障害などがある方は、治療を受けられないことがあります。
・手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
・手術後、歯肉・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。また、顎・鼻腔・上顎洞(鼻腔の両側の空洞)の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。
・手術後、薬剤の服用により眠気、めまい、吐き気副作用が現れることがあります。
・手術後、喫煙や飲酒をすると治療の妨げとなるので、1週間は控えてください。
・インプラントの耐用年数は、口腔内の環境(骨・歯肉の状態、噛み合わせ、歯磨きの技術、メンテナンスの受診頻度、喫煙の有無など)により異なります。
・毎日の清掃が不十分だった場合、インプラント周囲炎(歯肉の腫れや骨吸収など)を引き起こすことがあります。
「公益社団法人 日本口腔インプラント学会」は、口腔インプラント学に関わる広い学識と専門的技能を有する歯科医師に対して、「日本口腔インプラント学会口腔インプラント専門医」の資格を与えています。
○「日本口腔インプラント学会口腔インプラント専門医」資格取得の条件
・5年以上継続して正会員である。
・研修施設に通算して5年以上在籍している。
・専門医教育講座を3回以上受講している。
・同会学術大会および支部学術大会に8回以上参加している。
・施行細則に定める所定の研修を修了している。
・口腔インプラント指導医2名(内1名は施設長)の推薦を得ている。
・施行細則に定めるインプラントによる治療の経験がある。
・ケースプレゼンテーション試験に合格している。
・同会学術大会または支部学術大会において2回以上発表を行っている。
・口腔インプラントに関する論文を同会学会誌または委員会が認める外国雑誌に1編以上発表している。
など
○「日本口腔インプラント学会口腔インプラント専門医」資格保持の条件
・5年ごとに資格の更新をする。
・委員会の議を経て、理事会で更新される。
など
詳しくは、「公益社団法人 日本口腔インプラント学会 専門医制度規程」をご覧ください。
「特定非営利活動法人 日本歯周病学会」は、歯周病学の臨床的経験を通しその専門的知識と技術を有し、歯周病学の発展および向上を図り、国民の口腔保健の増進に貢献する歯科医師に対して、「日本歯周病学会歯周病専門医」の資格を与えています。
○「日本歯周病学会歯周病専門医」資格取得の条件
・専門医の申請時に、認定医または関連学会認定医に登録後通算2年以上同学会会員である。
・認定医または関連学会認定医に登録後、同学会の認めた研修施設に通算2年以上所属し、歯周病学に関する研修と臨床経験を有する。
・同学会学術大会における認定医・専門医教育講演を2回以上受講している。
など
○「日本歯周病学会歯周病専門医」資格保持の条件
・5年ごとに更新を行う。
・施行細則に定める所定の単位を修得する。
など
詳しくは、「特定非営利活動法人 日本歯周病学会専門医 制度規則」をご覧ください。