Occlusion インプラント治療と咬み合わせの関係について
天然歯にとって咬み合わせが重要であるのと同じように、失った歯の代わりとなるインプラントでも、正しい咬み合わせをつくることは重要です。
インプラントで失った歯の見た目と機能を回復させたとしても、ほんの少し咬み合わせに異常があるだけで、インプラントの被せ物の破損やインプラントの脱落など、さまざまなトラブルが引き起こされてしまいます。
また咬み合わせの異常はインプラントだけでなく、インプラントの周囲の歯や全身にも悪影響を与えます。インプラントとお口の健康の寿命を延ばすためにも、数ミクロンの咬み合わせのズレにも気をつける必要があるのです。
カナザキ歯科では、「日本顎咬合学会咬み合わせ認定医」の資格をもつ歯科医師が、より良い咬み合わせを追求した精密なインプラント治療をご提供いたします。
咬み合わせの異常で引き起こされるお口のトラブル
インプラントの咬み合わせが低いと、噛むときにインプラントの被せ物にかかるべき負荷がインプラントの隣の歯にかかることにより、さまざまなトラブルが引き起こされます。
- 引き起こされやすいトラブル
-
- 隣の歯が虫歯や歯周病になる
- 隣の歯がすり減ることで知覚過敏になる
- 噛むときに痛みを感じる
- インプラントの周囲の骨が痩せる
- 顎の位置にズレが生じることで顎関節症になる
インプラントと咬み合う天然の歯に過剰な負荷がかかり、咬み合う歯がダメージを受けるだけでなく、インプラント自体にも悪影響を及ぼします。
- 引き起こされやすいトラブル
-
- インプラントを支える骨に痛みが生じる
- インプラントの被せ物が割れたり外れたりする
- インプラントがグラつく
- インプラントの周囲の骨が痩せる
インプラントの被せ物の形が天然歯と適切に咬み合わない形状になっている場合では、インプラントに横方向の負荷がかかりやすく、インプラントだけでなくインプラントと咬み合う歯にもダメージを与えてしまいます。
- 引き起こされやすいトラブル
-
- 咬み合う歯がグラつく
- 咬み合う歯が虫歯や歯周病になる
- 咬み合う歯がすり減ることで知覚過敏になる
- 噛むときに痛みが生じる
- 噛むときの違和感から無意識に食べ物を擦り潰す方向を変えることになり、お口周りの筋肉や関節に負荷がかかって顎関節症になる
咬み合わせが全身に及ぼす影響
咬み合わせに異常があると、噛むときに使用するお口周りの筋肉が緊張し、この筋肉とつながっている頭や首、肩、背中などの筋肉に痛みが生じることがあります。また、咬み合わせのズレによって上下の顎のバランスが崩れると全身のバランスも崩れることになり、骨格が歪んだり自律神経やホルモンバランスに乱れが生じたりすることもあります。
このような全身のトラブルを防ぐためにも、インプラント治療で正しい咬み合わせをつくることは不可欠といえます。
Commitment カナザキ歯科の咬み合わせへのこだわり
インプラントは天然歯に最も近い見た目と機能を回復させられる優れた治療である一方、非常に繊細な施術を必要とする治療でもあります。
先ほどもご説明したとおり、インプラントに被せ物を装着する際に咬み合わせに数ミクロンのズレが生じるだけで、お口全体に大きな影響を及ぼすうえに重い全身のトラブルを引き起こすこともあります。
当院のインプラント治療では、患者さまにとってより良い咬み合わせを追求し、繊細かつ精密に咬み合わせの調整を行います。
ここでは、当院で実施している「咬み合わせの調整における3つのこだわり」についてご紹介します。
こだわり01 マイクロスコープによる数ミクロン単位の調整
一般的に咬み合わせの調整では、咬み合わせが高い部分に色素が付着する咬合紙とよばれる薄い紙を患者さまに噛んでいただき、歯に色素が付着した部分を削っていきます。咬合紙で歯に付着する色素はごく薄く、肉眼では分かりにくいため、歯科医院によっては患者さまの咬み合わせに対する違和感を頼りに調整していく場合もあります。
当院では、治療の精度をより高めるため、人の感覚に頼るような曖昧なことはしません。マイクロスコープを使用することで肉眼では見ることができない色素も確認し、数ミクロン単位の精度で精密に咬み合わせを調整していきます。
こだわり02 脳のパターンジェネレーターに応じた調整
人は、食べ物を噛むときに単に顎を上下に動かしているのではなく、食べ物の性状に合わせて力をコントロールしながら、楕円軌道で顎を動かしています。
このような顎の動きのコントロールを行っているのが、脳のパターンジェネレーターです。脳のパターンジェネレーターがあることで、人は食べるときに無意識に顎の動きを絶妙にコントロールしながら、食べ物を噛み砕けるのです。
この脳のパターンジェネレーターのことを考えずに咬み合わせを調整すると、「噛むときに歯と歯がぶつかってしまう」といったことが起こります。
当院では、患者さま一人ひとりの顎や顎関節、お口周りの筋肉の状態を検査し、脳のパターンジェネレーターにマッチした咬み合わせになるよう調整していきます。
こだわり03 仮歯でより良い咬み合わせを追求
当院では、最終的な被せ物の前に装着する仮歯の段階から綿密に咬み合わせのシミュレーションを行い、より良い咬み合わせを追求します。
仮歯を装着した状態で口腔内の機能や咬み合わせを詳しくチェックし、精密に咬み合わせの調整を行います。このように仮歯を使ってより良い咬み合わせを追求することで、より長持ちする良質な被せ物を作製できます。また、仮歯の段階から咬み合わせの調整をしておくと、最終的な被せ物に取り換えた際にも違和感なく噛むことができます。
・機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・インプラントの埋入にともない、外科手術が必要となります。
・高血圧症、心臓疾患、喘息、糖尿病、骨粗鬆症、腎臓や肝臓の機能障害などがある方は、治療を受けられないことがあります。
・手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
・手術後、歯肉・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。また、顎・鼻腔・上顎洞(鼻腔の両側の空洞)の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。
・手術後、薬剤の服用により眠気、めまい、吐き気副作用が現れることがあります。
・手術後、喫煙や飲酒をすると治療の妨げとなるので、1週間は控えてください。
・インプラントの耐用年数は、口腔内の環境(骨・歯肉の状態、噛み合わせ、歯磨きの技術、メンテナンスの受診頻度、喫煙の有無など)により異なります。
・毎日の清掃が不十分だった場合、インプラント周囲炎(歯肉の腫れや骨吸収など)を引き起こすことがあります。
「特定非営利活動法人 日本顎咬合学会」は、顎咬合学や関連する領域の臨床に深い知識と経験を有し、日常の臨床でそれを実践している歯科医師に対して、「日本顎咬合学会認定医」の資格を与えています。
○「日本顎咬合学会認定医」資格取得の条件
・日本国の歯科医師免許を取得後満4年以上、かつ顎咬合学とこれに関連する領域の歯科臨床に満4年以上従事している。
・同学会に継続して満3年以上の会員歴がある。
・同学会の咬み合わせ認定医検定試験に合格している。
など
○「日本顎咬合学会認定医」資格保持の条件
・5年ごとに更新を行う。
・認定期間の5年間に、細則に定める更新単位を取得する。
など
詳しくは、「特定非営利活動法人 日本顎咬合学会認定医 制度規則」をご覧ください。