Difficultcase インプラントをしたいけれど諦めた方へ
インプラント治療は、失った歯根の代わりにインプラントを埋め込んで歯の機能を回復させる治療であるため、「インプラントを支える顎骨や歯肉が健康であること」が第一条件となります。また、「過剰な負荷のかからない咬み合わせであること」「清掃しやすい歯並びであること」も必須です。
このような条件を満たせないケースでは、「インプラント治療はできない」と判断される場合もあります。
カナザキ歯科では、「日本口腔インプラント学会口腔インプラント専門医」と「日本歯周病学会歯周病専門医」、そして「日本顎咬合学会認定医」の3つの資格をもつ歯科医師が、一般的にはインプラント治療が難しいとされるお口を、多角的な治療でより安全にインプラント治療を行える状態へと改善します。
以下のような理由でインプラント治療を諦めていた方も、ぜひ一度ご相談ください。
骨が少ない場合
インプラントを埋め込む部分の骨が少ないと、インプラントを十分に固定できないため、インプラントの脱落やインプラント周囲炎のリスクが高くなります。
当院では、インプラント治療を可能にするため、骨が少ないケースでは骨を増やす処置を行います。
骨を増やす処置には、サイナスリフト、ソケットリフト(上顎洞底挙上術)、GBR(骨誘導再生法)などの方法があり、患者さまの状態に適した方法で骨を増やします。大量に骨を増やす必要があるケースでも、ソーセージテクニックとよばれる手法を使用して対応します。
歯肉が痩せている場合
歯を失った部分の歯肉は、痩せて弾力を失います。その状態でインプラントを埋め込むとインプラントと歯肉との間にすき間ができやすくなります。すき間があるとそこから細菌に感染しやすく、インプラント周囲炎を引き起こす可能性が高くなるため、そのままではインプラントを埋め込むことができません。
当院では、歯周病に精通した歯科医師が、歯肉の形を整える手術や歯肉の移植手術を行うことで、インプラントと歯肉との間にすき間ができるのを防ぎます。
重度の歯周病の場合
重度の歯周病にかかっているにもかかわらずインプラント治療を行うと、インプラントの周りの歯肉や骨に歯周病菌が感染し、インプラント周囲炎にかかってしまうリスクが高まります。また、残っている天然歯も歯周病によって失う可能性があるため、インプラント治療を行う前に歯周病をしっかりと改善する必要があります。
当院では、ブラッシング指導、スケーリング、SRP、光殺菌、3DS、歯周外科、再生療法などの歯周病治療を徹底的に行い、お口の健康を取り戻してからインプラント治療を行います。
歯が全体にグラグラしている場合(咬合崩壊)
ほとんどの歯がグラグラと揺れる状態で、十分に噛むことができないようなケースを咬合崩壊といいます。このようなケースでは、早急に治療しなければすべての歯を失うことになりかねません。
当院では、まず歯のグラつきの原因である歯周病の治療を徹底的に行い、お口の中から歯周病菌を可能な限り取り除きます。その後、インプラントで咬み合わせの支えとなる奥歯の機能を回復させ、歯列全体の咬み合わせを安定させます。
歯並びが悪い場合
歯並びが悪いと、歯と歯が重なっている部分などが歯磨きではしっかりと磨ききれないことが多く、歯周病にかかりやすいとされています。この状態でインプラント治療を行うと、歯周病菌によるインプラント周囲炎のリスクが高くなります。
歯並びが悪い場合は、矯正治療を行って歯並びを整え、インプラント治療の安全性を高めます。
歯並びの乱れが軽微なケースでは、マウスピース型矯正や部分矯正で治療し、歯並びの乱れや重篤なケースに関しては、矯正歯科に精通した歯科医師と連携して治療を進めていきます。
また、矯正治療で整えた歯並びを維持するためには、精密な咬み合わせの調整が必要です。当院では、「日本顎咬合学会認定医」の資格をもつ歯科医師が数ミクロン単位の精密な処置で咬み合わせを調整します。
All-on-4/All-on-6 All-on-4/All-on-6(オールオンフォー/オールオンシックス)治療
健康な歯が1本もなく、すべての歯を残せないケースでは、総入れ歯もしくはインプラント治療で歯の機能と見た目を回復させます。
総入れ歯の場合、治療費は抑えられますが、固定式ではないためにどうしてもズレやすく、「硬いものが噛みにくい」「発音しにくい」などの不快感があります。
一方インプラント治療は、保険は適用されないもののインプラントで人工歯がしっかりと固定されるため、自分の歯に近い感覚で噛むことができるうえに発音が阻害されることもありません。
当院では、ご希望を伺いながらAll-on-4/All-on-6またはインプラントオーバーデンチャーでの治療を行います。
All-on-4/All-on-6(オールオンフォー/オールオンシックス)
All-on-4/All-on-6は、片顎に対し4本もしくは6本のインプラントで12本分の人工歯を固定するインプラント治療です。インプラントを埋め込む手術の当日に仮歯を装着できるため、早期に見た目の回復が可能です。
一般的なAll-on-4/All-on-6では、12本分の人工歯が一体化した構造となっているものを使用しますが、当院では、下顎の場合は3つに分割した構造のものを使用することで、噛んだときに人工歯にかかる負荷を軽減します。
また、顎骨に対して斜めにインプラントを埋め込む際に、インプラントの頭部と顎骨の表面の傾斜が一致する形状のアストラEVインプラントを使用し、細菌感染のリスクも軽減させます。
インプラントオーバーデンチャー
下顎に2本のインプラントまたは4本のミニインプラントを埋め込み、そこに入れ歯を固定する治療法です。インプラント治療よりも噛む力は劣るものの、通常の入れ歯より安定した状態で噛むことができます。
なお、インプラントオーバーデンチャーの場合は、完全にインプラントに固定するのではなく、インプラントと入れ歯にアタッチメントを取り付けて患者さまご自身で着脱可能な状態で固定します。そのため、通常の入れ歯と同じようにお口から取り外した状態での手入れが可能です。
All-on-4/All-on-6とインプラントオーバーデンチャーで迷っている方へ
All-on-4/All-on-6はインプラントに完全に固定するため、ズレたり外れたりする心配はなく、自分の歯に近い感覚でしっかりと噛めます。
一方インプラントオーバーデンチャーは、アタッチメントで着脱可能な状態で固定するため、多少お口の中で動くことはあります。しかし、入れ歯よりは快適な噛み心地を得られます。
歯の機能も見た目もより良い状態に回復したいとお考えの方にはAll-on-4/All-on-6をおすすめしますが、近い将来に施設に入る予定がある方や、体の状態によって今後の通院が難しくなる可能性がある方は、メンテナンスが不可欠なAll-on-4/All-on-6よりもインプラントオーバーデンチャーをおすすめします。また、治療費を抑えることを重視する場合もオーバーデンチャーが適しています。
・機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・インプラントの埋入にともない、外科手術が必要となります。
・高血圧症、心臓疾患、喘息、糖尿病、骨粗鬆症、腎臓や肝臓の機能障害などがある方は、治療を受けられないことがあります。
・手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
・手術後、歯肉・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。また、顎・鼻腔・上顎洞(鼻腔の両側の空洞)の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。
・手術後、薬剤の服用により眠気、めまい、吐き気副作用が現れることがあります。
・手術後、喫煙や飲酒をすると治療の妨げとなるので、1週間は控えてください。
・インプラントの耐用年数は、口腔内の環境(骨・歯肉の状態、咬み合わせ、歯磨きの技術、メンテナンスの受診頻度、喫煙の有無など)により異なります。
・毎日の清掃が不十分だった場合、インプラント周囲炎(歯肉の腫れや骨吸収など)を引き起こすことがあります。
・インプラントによる治療と同じくインプラントを埋め込むので、基本的なリスク・副作用は上記インプラントによる治療と同様です。
・治療当日に仮歯を装着できますが、最終的な人工歯を装着できるのは、インプラントと骨とがしっかり結合してからであり、それまで数ヵ月の期間を要します。
・インプラントによる治療と同じくインプラントを埋め込むので、基本的なリスク・副作用は上記インプラントによる治療と同様です。
・入れ歯使用直後は、口腔内になじむまで時間がかかることがあります。
・入れ歯を装着していない時間が長いと、残存歯の傾きや損失、歯槽骨(歯を支える骨)の吸収などが起こることがあります。
・使用方法などにより、破損することがあります。
・定期的な検診・メンテナンスが必要です。
・機能性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・外科手術が必要となります。
・手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
・治療後、骨がしっかりと作られるまで3~6ヵ月の治癒期間が必要です。
・歯周病の方、心疾患や骨粗鬆症など内科的な疾患のある方は、骨造成治療が適さないことがあります。
・口腔内の衛生状態の悪い方、顎骨が足りない方、免疫力や抵抗力が低下している方、歯周病発生リスクの高いとされる糖尿病の方、喫煙する方は、すぐに治療できないことがあります。
・日常的に服薬しているお薬などが治療に影響することがあります。
・サイナスリフト・ソケットリフトの処置にあたり、上顎洞膜が破れる可能性があります。その場合、手術後に抗生剤を服用して感染を予防し、膜が自然に治癒するまで待ちます。
・体の状態や細菌感染により、骨補填材と骨とが結合しない場合があります。この場合、原因を取り除き、ご希望があれば再治療を行います。
・骨の成長途中であるお子さま(おおよそ18歳未満の方)、妊娠中の方は治療が受けられません。
「特定非営利活動法人 日本歯周病学会」は、歯周病学の臨床的経験を通しその専門的知識と技術を有し、歯周病学の発展および向上を図り、国民の口腔保健の増進に貢献する歯科医師に対して、「日本歯周病学会歯周病専門医」の資格を与えています。
○「日本歯周病学会歯周病専門医」資格取得の条件
・専門医の申請時に、認定医または関連学会認定医に登録後通算2年以上同学会会員である。
・認定医または関連学会認定医に登録後、同学会の認めた研修施設に通算2年以上所属し、歯周病学に関する研修と臨床経験を有する。
・同学会学術大会における認定医・専門医教育講演を2回以上受講している。
など
○「日本歯周病学会歯周病専門医」資格保持の条件
・5年ごとに更新を行う。
・施行細則に定める所定の単位を修得する。
など
詳しくは、「特定非営利活動法人 日本歯周病学会専門医 制度規則」をご覧ください。
「特定非営利活動法人 日本顎咬合学会」は、顎咬合学や関連する領域の臨床に深い知識と経験を有し、日常の臨床でそれを実践している歯科医師に対して、「日本顎咬合学会認定医」の資格を与えています。
○「日本顎咬合学会認定医」資格取得の条件
・日本国の歯科医師免許を取得後満4年以上、かつ顎咬合学とこれに関連する領域の歯科臨床に満4年以上従事している。
・同学会に継続して満3年以上の会員歴がある。
・同学会の咬み合わせ認定医検定試験に合格している。
など
○「日本顎咬合学会認定医」資格保持の条件
・5年ごとに更新を行う。
・認定期間の5年間に、細則に定める更新単位を取得する。
など
詳しくは、「特定非営利活動法人 日本顎咬合学会認定医 制度規則」をご覧ください。
「公益社団法人 日本口腔インプラント学会」は、口腔インプラント学に関わる広い学識と専門的技能を有する歯科医師に対して、「日本口腔インプラント学会口腔インプラント専門医」の資格を与えています。
○「日本口腔インプラント学会口腔インプラント専門医」資格取得の条件
・5年以上継続して正会員である。
・研修施設に通算して5年以上在籍している。
・専門医教育講座を3回以上受講している。
・同会学術大会および支部学術大会に8回以上参加している。
・施行細則に定める所定の研修を修了している。
・口腔インプラント指導医2名(内1名は施設長)の推薦を得ている。
・施行細則に定めるインプラントによる治療の経験がある。
・ケースプレゼンテーション試験に合格している。
・同会学術大会または支部学術大会において2回以上発表を行っている。
・口腔インプラントに関する論文を同会学会誌または委員会が認める外国雑誌に1編以上発表している。
など
○「日本口腔インプラント学会口腔インプラント専門医」資格保持の条件
・5年ごとに資格の更新をする。
・委員会の議を経て、理事会で更新される。
など
詳しくは、「公益社団法人 日本口腔インプラント学会 専門医制度規程」をご覧ください。