インプラント治療の中で、抜歯が必要なこともあります。
この記事では、インプラント治療で抜歯が必要なケースや、その時の痛みについて詳しく解説。手術の種類も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
インプラント治療で抜歯が必要なケースとは?
インプラントは基本的に、歯が失われている箇所に施す治療法です。そのためインプラント治療では抜歯が不要とされています。
しかし、中には例外もあります。例えば、虫歯や歯周病などが進行しており治療が困難な場合は、抜歯をしなければいけないこともあります。
問題のない歯も抜歯するの?
健康な歯を抜歯してインプラント治療を進めることは、ほとんどありません。しかし治療を担当する医師によって考え方やスキル、経験が異なるので、抜歯の捉え方にも違いがあります。
インプラント治療は、なるべく天然歯を残して進めることが一般的です。もし抜歯を進められてもすぐには決断せず、セカンドオピニオンを活用するなどして慎重に検討しましょう。
抜歯即時埋入法・抜歯待時埋入法の違い
インプラント治療で抜歯をした際、その後に人工歯を埋め込む処置をします。抜歯してすぐに埋め込む方法を「抜歯即時埋入法」、傷口が回復してから埋め込む方法を「抜歯待時埋入法」と言います。
それぞれの特徴とメリット・デメリットをまとめたので、詳しく見ていきましょう。
抜歯即時埋入法のメリット・デメリット
抜歯と同時に人工歯を埋め込む方法で、下記の条件を満たした場合に用いられます。
・治療箇所が上顎
・周辺に虫歯や歯周病がない
・顎の骨に厚みと高さがある
・糖尿病などの全身疾患にかかっていない
手術回数が少なく、治療期間も短縮されるというメリットがある一方、高いスキルと専門知識を必要とするため対応していないクリニックも多いです。
抜歯待時埋入法のメリット・デメリット
抜歯後、傷口が治るまで2〜3ヶ月ほど期間を空けてから人工歯を埋め込む方法です。手術が2回必要で治療期間も長くなりますが、適用範囲が広く細菌感染のリスクを抑えられるというメリットがあります。
インプラント治療における抜歯の痛みはどの程度?
インプラント治療における抜歯は、局所麻酔をしてから進められます。そのため抜歯の痛みはほとんど感じません。
しかし、痛みの感じ方には個人差があります。そのため万が一、痛みを感じることがあれば麻酔を追加することになります。
術後は軽微な痛みが生じることが多い
抜歯が終わると、時間の経過に伴い麻酔の効果が切れていきます。インプラントの本数が多いほど痛みが出やすいですが、処方された痛み止めを服用すれば治まります。また、痛みの程度は軽めなので心配しなくても大丈夫でしょう。
痛みが続く期間は長くても1〜2週間ほどですが、それ以上続く場合は傷口が細菌に感染している恐れがあります。治療を受けた歯科医院にすぐ連絡し、口腔内の状況を診察してもらいましょう。
痛みや腫れを抑える工夫
痛みや腫れを抑えるためには、安静にしながら患部を冷やすのがおすすめ。血流がよくなるような動きをすると傷口から出血し、痛みが強くなる可能性があります。そのため抜歯後は激しい運動や仕事を避け、安静にすることが大切です。
また、口腔内を清潔に保つこともポイント。細菌感染を防ぐためにも、日頃のメンテナンスを怠ってはいけません。
さらに、食事は柔らかいものから始めるとよいです。いきなり固いものを噛むと抜歯した部分に負担がかかり、痛みや腫れが悪化することがあるからです。
インプラント治療や抜歯に関してよくある質問
インプラント治療や抜歯に関して、よくある質問と回答をまとめました。
インプラント治療は保険が適用されますか?
インプラント治療は基本的に自由診療のため、保険は適用されません。一部、保険が適用されるケースもありますが、条件は「腫瘍や事故の外傷などが原因で顎の骨を連続して1/3以上失っている」「生まれつきの疾患により顎骨を連続して1/3以上失っている」などです。
費用を抑えたい場合は「医療費控除」を申請しましょう。
インプラント治療の費用はいくらかかりますか?
インプラント治療の費用は1本あたり約30万〜40万円ほどです。費用に含まれる項目はインプラント体(歯根)・アバットメント(つなぎ)・人工歯・手術費など。
前歯・奥歯ともに費用は同じくらいですが、治療を受ける歯科医院によって前後するので、まずは見積もりをもらうとよいでしょう。
インプラント治療中に仮歯を入れるのはなぜですか?
「抜歯待時埋入法」を用いる場合、傷口が塞がるまで2〜3ヶ月ほど期間を空けます。その間、歯がない状態だと食事や会話に支障をきたすため、仮歯を装着します。
また、歯並びが歪まないようにする、細菌から患部を守るといった役割も果たします。
まとめ
インプラント治療は一般的に、抜歯をせず進めることが多いです。しかし虫歯や歯周病がある場合は、抜歯をする可能性もあります。
とはいえ、抜歯にはリスクも伴います。もし抜歯が必要と言われたら、他の歯科医院にも相談してみてもよいでしょう。