2024年2月5日 インプラント
歯を失った時の治療法の1つに「インプラント」があげられます。
この記事では、インプラント治療の概要やメリット・デメリットなどを詳しくまとめています。ブリッジ・入れ歯との違いも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
インプラント治療とは、歯を失った箇所に人工の歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。天然歯に近い機能性や審美性があり、こまめにメンテナンスを受けることで快適に使用できます。
なお、歯を失ったままにすると下記のような不都合が生じます。
日常生活の中で充実感を得られないばかりか、心身的な負担も大きくなるでしょう。
インプラントの他にもブリッジや入れ歯といった治療法があります。費用を考慮すると、ブリッジや入れ歯の方が安価なので手軽に装着できます。
しかしブリッジは天然歯を削らなければいけない、入れ歯は使用感や噛み心地が悪いなどのデメリットがあります。それぞれの特徴をまとめた表が下記のとおり。
インプラント治療のメリットは主に3つあげられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
歯肉を切開し、専用のドリルを用いて顎の骨に穴を空けた後、インプラント体を埋め込みます。その上から人工歯を装着するため、咀嚼力が高くなります。
インプラント治療は審美性や機能性の高さが特徴。天然歯のような見た目なので、自然な印象を与えることができます。
インプラント以外の治療法の1つに「ブリッジ治療」があります。ブリッジは両隣の歯を土台として用いるために削らなければいけません。その点、インプラントは天然歯を削る必要がないため、隣の歯への負担もありません。
インプラント治療には下記のようなデメリットも伴います。
それぞれの詳細を見ていきましょう。
インプラント治療は機能性や審美性の目的が高く、原則として保険が適用されません。また、治療後も定期的にメンテナンスを受けなければいけないため、費用が高くなります。
インプラント治療は手術や抜歯、経過観察、メンテナンスといったさまざまな工程を踏みます。また、埋め込んだインプラント体が骨と結合するまでに3ヶ月前後かかります。ブリッジや入れ歯と比べると治療期間が長くなるため、手間を感じるかもしれません。
治療後のメンテナンスを怠ると「インプラント歯周炎」という感染症を患うリスクがあります。日本臨床歯周病学会によると、インプラント治療後3年以上の患者267人のうち、約1割の患者がインプラント歯周炎になっていたとのこと。リスクを軽減させるために、日頃のセルフケアや定期的なメンテナンスを継続しましょう。
インプラント治療の流れは歯科医院によってやや異なりますが、当院「カナザキ歯科」の例をご紹介します。
それぞれの詳細を解説していきます。
まずはカウンセリングを実施します。要望を伺った後、さまざまな検査を実施しデータを収集。現状や問題点を説明したうえで、治療計画を作成していきます。
正式に治療が決まったら、口腔内の状況を確認するためCTによる精密検査を行います。そして、実際の手術に近いシミュレーションを実施し、治療計画の精度を上げます。
最終シミュレーションおよび最終確認を取ったら、いよいよ手術に進みます。麻酔と触診を行い、シミュレーションに沿って埋入位置と角度を決めます。そして顎の骨に穴をあけ、インプラント体を埋め込みます。
インプラント体が骨に定着するまで2〜5ヶ月ほど経過を見ます。問題なく定着したら被せ物の型を取り、完成後に装着します。
治療が終わった後は、3ヶ月ごとにメンテナンスを行います。日頃のセルフケアでは取り切れない汚れを落とし、インプラント歯周炎を予防します。
地域差はありますが、インプラント治療の費用は1本あたり30万〜50万円ほどが相場です。また、全部の歯をインプラントにする方法(オールオン4・オールオン6)の場合は200万〜400万円ほどが目安になります。
インプラント治療の費用については、こちらの記事で詳細を解説しているので、あわせて参考にしてください。
インプラント治療や流れについて、よくある質問と回答をまとめました。
インプラントの寿命は10〜15年と言われています。入れ歯の寿命が4〜5年、ブリッジの寿命が7〜8年ほどなので、インプラントの耐久性の高さが伺えます。
しかし、日頃のセルフケアを怠ると口腔内の環境が悪化し、寿命を縮める恐れがあります。セルフケアはもちろん、歯科医院でのメンテナンスも欠かさず受け、インプラントを長く使えるようにしましょう。
下記に該当する人は、インプラント治療を受けることができません。
とはいえ対処法もあるので、インプラント治療を受けたい人はまず歯科医師に相談してみましょう。
インプラント治療を受ける人の年代は、60代がもっとも多いです。また、厚生労働省が2016年に実施した「歯科疾患実態調査」によると、インプラント治療を受けている人の割合は全体の約2.7%とのことです。
インプラント治療は自由診療のため、入れ歯やブリッジと比較して費用が高額です。しかし機能性や審美性が高いだけでなく、10〜15年に渡って使い続けられる耐久性もあります。
もしインプラントに興味がある方は、治療を実施している歯科医院に相談してみるとよいでしょう。当院「カナザキ歯科」でも無料相談やセカンドオピニオンを受け付けているので、お気軽にご連絡ください。
著者:金﨑伸幸
【歯科臨床と教育にすべてをささげる歯科医】
患者様に心から喜んでいただける「良い治療」を追求したい。
日本最先端インプラント開発会議コアメンバー就任 / 先端歯科医療研究会 SEDIT代表に就任 / 九州歯科大学審美歯科非常勤講師に就任 / 愛媛大学医学部非常勤講師に就任 / Doctorbook academy「真夏のスキルアップセミナー3Days歯周病Xリグロス」応用編講師 /